投稿

4月, 2020の投稿を表示しています

Alligator通信 2020年4月号 Lucky Old Sun.....

イメージ
たった一か月で、世界が変わってしまったみたい.... 毎日ニコニコと顔を出すお天道様が、有難くも、ちょっぴりうらやましく思えてしまいます。 皆様、ご無事で毎日を送られていますでしょうか。 今たったひとつ、できることは、お互い感染する距離にいないこと。 一つだけですが、それでも、できることがある、というのはありがたいことです。 レコード、CD、ラジオ。素晴しい発明のお陰で、家から出られなくても、その場にいることができなくても、音楽に接することができます。 他にも、本を読んだり、いままでなかなかゆっくり手紙を書けなかった人に書いたり。 やることはいっぱいあるよ! と思うんですが、実際はなかなか難しいですね。 やっぱり楽しんでくれる人のいるところで演奏したいです..... ふと音楽を始めたころのことを思い出して。 父がレコードでかける洋楽が小さいころから大好きでした。 NHKの朝ドラ「エール」の主人公が初めて蓄音機でオーケストラの演奏を聞いたときの、瞳孔が開いちゃう感じ、凄くわかります。 ビートルズのLet It Beのイントロをピアノで真似て、ジャズのちょっと複雑な響きの和音がどうやったら出るのか?とテープの同じところを何度もかけてたらしまいに切れちゃって....。 音楽は毎日の生活とはちょっとかけ離れた小宇宙、でした。 それが、ニューオリンズで「動いてる」人がレコードやラジオで聞いていた音楽を間近で演奏しているのに出会って、立体になった、というのか、生活にぐっと近くなって。 1曲の中に、プレイヤーそれぞれの物語があり、感情の動きがあり、お互いの会話があり、素敵な部分も、ダメな部分もあり、音楽の表現する世界の大きさに圧倒されました。 ニューオリンズで得た、音楽と生きることが一体になった感覚。すごく幸せな発見でした。 それからずっと、音楽で繋がっている、ミュージシャンやリスナーの皆さんが私の人生そのものを作ってくれていると感じています。 今は集まって仲間と一緒に音を出すことができなくてとても寂しいのだけれど、桜の下とか河原でぼんやり風景を眺めていると、みんなの出す音や、笑い声や、手拍子や、ざわめきが、どこからか聞こえてきます。 みんながとっても恋しい。 次に会えた時には片端から抱きしめてチューしちゃうかもしれません。(やだ? あ、今は絶対ダメですよ!)